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★シネマの時間★第485回は、ユニセフ・イタリア 共同製作作品映画『丘の上の本屋さん』をご紹介★作家・鈴木るりか X 英米文学翻訳家・三辺律子トークイベント付き親子試写会レポート!

こんにちは!
★シネマの時間★第485回は、ユニセフ・イタリア 共同製作作品映画『丘の上の本屋さん』
イタリアの古書店を舞台に店主と移民の少年が〈本〉を通して交流する姿を描いた珠玉の物語!
作家・鈴木るりか X 英米文学翻訳家・三辺律子 トークイベントレポートをお送りします。

本作は、イタリアの美しい村 チヴィテッラ・デル・トロントの古書店を舞台に
イタリア語で「自由(Libero)」という意味の名を持つ店主リベロと
世界で最も貧しい国のひとつとされている
アフリカ、ブルキナファソからの移民の少年エシエンが、
年齢や国籍の違いを超え〈本〉を通して交流するハートウォーミングストーリー!

イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店。
店主リベロは、ある日、店の外で本を眺める移民の少年エシエンに声を掛け、
好奇心旺盛なエシエンを気に入ってコミックから長編大作まで次々と店の本を貸し与えていく。
リベロが語る読書の素晴らしさに熱心に耳を傾けるエシエン。
感想を語り合ううちに、いつしか2人は友情で結ばれていく…。

リベロが移民の少年エシエンに贈る本たちは、
人生を豊かに形づくるヒントが詰まった、まさに“幸せのブックリスト”。
「ミッキーマウス」「ピノッキオの冒険」「イソップ寓話集」
「星の王子様」「白鯨」「密林の医師 アルベルト・シュヴァイツアー博士の生涯と作品」
「アンクル・トムの小屋」「白い牙」「ロビンソー・クルーソー」
「ドンキ・ホーテ」「世界人権宣言」…etc
誰もが知る名作をはじめ様々な本を通して2人の間で交わされる言葉は
読書の素晴らしさ、その本に対する共感や新たな発見、気づきの喜びなど
観るものの知的好奇心を刺激し、読書からどこまでも自由に
世界が広がっていく楽しさを追体験させてくれます。

年齢や国籍の違いを超えた2人の師弟関係とも友情ともいえる関係を軸に
古書店に集まってくる個性豊かな常連客たちの人間模様も見どころの一つ。
劇中、マリトッツオ、スフォリアテッラ、ビスコッティといった
イタリアのお菓子も登場し物語を華やかに彩っています。
チヴィテッラ・デル・トロントの美しい歴史ある街並みのなか
いつものあの広場へ行けば、温かく迎え入れてくれるリベロがいる古書店がある幸せ。
繰り返される日々の暮らしの美しさや愛おしさ、小さな幸福が心に響きます。
主演のリベロ役には、『フォードvsフェラーリ』『我が名はヴェンデッタ』など
映画や舞台、テレビなど幅広く活躍するベテラン俳優のレモ・ジローネ
移民の少年エシエンは、本作が映画初出演の
ディディー・ローレンツ・チュンブ
監督・脚本は、『La Sindrome di Antonio』などで知られる
クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督が手がけ、
なぞなぞ好きの男役としても特別出演しています。

2月28日(火)、日比谷図書文化館日比谷コンベンションホールにて
14歳で作家デビューを果たした現役大学生作家の鈴木るりかさんと
英米文学翻訳家の三辺律子さんによるトークイベント付き親子試写会が開催され
取材を担当させていただきました。
トークイベントレポートもお送りいたしますので
併せてお楽しみいただければ幸いです!

3月3日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座
アップリンク吉祥寺ほか全国絶賛上映中!

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映画『丘の上の本屋さん』

三辺律子(英米文学翻訳家)X 鈴木るりか(作家)

2月28日(火)、 日比谷図書文化館日比谷コンベンションホールにて
映画の余韻が残るなか、三辺律子さんと鈴木るりかさんによる
トークイベントが開催されました。
作家・翻訳家として文学界で活躍されているお二人の視点から
映画を通して描かれる初めて触れる読書の喜びや本が持つ無限の魅力、
また記憶に残る読書の思い出やおすすめ本、
更にお仕事をするようになった経緯、新刊についてなど
子供から大人まで読書や映画を楽しむヒントとなる素敵なお話に
会場は終始 和やかに盛り上がりました。
個人的にも以前 幼稚園で子供たちに選書して本の読み聞かせをしていたこともあり
本を楽しむ子供たちの生き生きした顔を思い出して胸がいっぱいになりました。
読書や映画は、生きる力になりますね。

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映画の感想について鈴木は、
「『丘の上の本屋さん』というタイトルがまず素敵だと思いました。
私は以前から『道』や『鉄道員』などの古いイタリア映画が好きで
大学でもイタリア語の授業をとったりしています。
この映画もイタリアの映画で言葉がわかる部分があって嬉しかった。
リベロがエシエンに語る台詞がとても深く考えさせられるものばかりで、
その中でも劇中『ゆっくり読んでごらん。すると中味が身体にしみ込んでいく。
そしてある日ふいに現れるんだ。』という言葉が印象に心に残っている。
このリベロの言葉が読書の効用だと思っています。」と語りました。

三辺はそれを受けて、「よくわかります。私も子供の頃から本が大好きで
子供の頃には同じ本を何十回も読んで、大学生の頃になってまた読んで、
今また読むと違う形でしみ込んでくる。
『丘の上の本屋さん』では、リベロがエシエンに本を薦めていますが
私も翻訳の仕事をしているのは、人に良い本を薦めたくてやっている。
英語の本で面白い本があると読んでほしいと思う。
リベロが羨ましい。あんなことがしたいです。
リベロが薦める本のラインナップは見どころの一つ。
鈴木さん的にはあの中で一番印象に残った本は?」と質問。

鈴木は、「『ピノキオの冒険』です。子供の頃読んだ時に、嘘をつくと鼻が伸びたり
悪い子がロバにされてしまったり、それがちょっと怖かった。
ピノキオから金貨を騙し取るところに怒りを覚えたりして。
映画の中でピノキオを騙す狐と猫を面白いというエシエンに対して
リベロが『人の無知につけ込むのがいいことだと思うかい?
人を騙す奴は世の中に沢山いる。大抵が愉快で感じのいい奴だ。
感じの良さは、上手く人を欺くための武器なんだ。』という台詞が心に刺さりました。
成長した今、また読んでみたい。」と応えました。

三辺は、「ピノキオは、本とディズニーで印象が違う。
児童文学と言われていますが、本の方は残酷で怖い。
児童文学は、可愛らしいお話ばかりでなくて、ああいう怖さが凄く大事。
そういう点でもピノキオは優れた児童文学だと思う。
最近、ピノキオの映画が実写版でありましたがとてもリアルに作られていて怖かった。
怪談や肝試しなど子供も大人も怖さに惹かれるところがあると思う。」と
児童文学の魅力について言及しました。

そしてリベロのようにエシエンに本を薦めるとしたら?
子供の頃どんな本を読んでいたか?の三辺の質問に、
鈴木は、「小泉八雲の『怪談』を薦めてみたい。
子供ってやはりちょっと怖い話が好きなので面白いと思う。
子供の頃は世界の名作全集みたいなものを読んだり
『赤毛のアン』などの名作を読んでいました。
家の隣が、図書館だったのでよく行っていました。
あと家の近くのスーパーの2階にあった本屋さんで
月に一度、子供のためにお話会が開催されていて
色んな本を読み聞かせしてくれたことが印象に残ってる。
終わった後に雑誌の付録など全員にお土産までくれて楽しみでした。
また子供の頃、祖父に絵本の読み聞かせをしてもらったこと、
書斎には、夏目漱石などの本が置いてあったことを覚えています。」と語り、
自分で書いてみようと思ったきっかけについて
「昔から物語を作るのが好きだった。自分から書いてみようと思ったのは、
小学4年生の時に文学賞の副賞図書カード10万円分が欲しかったからです(笑)。
書いた日は、応募締め切りのギリギリだったので、
とにかく書き終わらせようという思いが強かった。
題材は、近所に母子家庭の親子が住んでいて工事現場で働くお母さんなどを
目にしていたのでそこから考えました。」と述べました。

また読書を楽しむ上でのヒントについて鈴木は、
「本も相性があるので、読み始めて自分に合わないと思ったら、そこで読むのをやめてもいい。
その時は合わなくても、時間をおいて数年経って読むと、良かったりする。
映画の中でリベロも『本は食べ物と同じ。食べてみなければ、好きか嫌いかわからない。』
と言っています。それと同じようにとりあえず本を手に取って、
開いてみることがまず第一歩だと思う。」と伝えました。

更に、作家を夢見る子供たちへのアドバイスと新刊について三辺に聞かれると
鈴木は、「私はたまたま早い時期にデビューしたんですが、
作家になるのに年齢制限はないので、幾つになっても挑戦することはできる。
実際定年後に書き始めてから作家になった人は何人もいる。
作家にとって引き出しの多さはとても武器になる。
引き出しを多くするために色々な経験を積むことがとても大事。
小説を書くためには、家に篭っているだけではダメで、
外に出て色んなことを経験することで、
引き出しの数を増やしていくといいのではないかと思っています。
秋に新刊『星に願いを』が出る予定です。
タイトルを聞くとディズニー映画の『ピノキオ』の主題歌を
思い浮かべる方もいらっしゃると思うのですが、
今回は、『太陽はひとりぼっち』『私を月に連れてって』に連なる三部作の締め括りとして、
これまでとはちょっと違ったテイストの仕上がりになっている。
ミステリーの要素も入れてみたので、
そんなところも楽しんでいただければと思っています。」と語りました。

最後に、会場から最近読んだ本の中で一番心が震えた本は?と質問されると
鈴木は、『丘の上の本屋さん』はイタリア映画なので、
同じイタリアの作品をと『クオーレ』を紹介。
三辺は、現在手がけている翻訳の仕事から
イギリスの牧場で生まれ育った馬が主人公の児童文学の古典『黒馬物語』を紹介しました。

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三辺律子(さんべ りつこ)
英米文学翻訳家。訳書に『ジャングル・ブック 』(岩波書店)、
『パディントン、映画に出る』( WAVE 出版)、『ルイスと不思議の時計』(静山社)、
『エヴリデイ』(小峰書店)、『ダリウスは今日も生きづらい』(集英社)、
『かわいい子ランキング』(ほるぷ出版)、『ルビーが詰まった脚』(東京創元社)ほか多数。
共編著書に『 BOOKMARK 翻訳者による海外文学ブックガイド』など。

鈴木るりか(すずき るりか)
作家。2003年東京都生まれ。
小学4年、5年、 6年時に3年連続で、小学館主催の『12歳の文学賞』大賞を受賞。
2017年 10月、 14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビュー。
10万部を超えるベストセラーに。韓国や台湾でも翻訳される。
2018年『 14 歳、明日の時間割』、 2019年『太陽はひとりぼっち』、
2020年『私を月に連れてって』 、2022年『落花流水 』 を刊行 、
2023 年秋に新刊『星に願いを』刊行予定 。

【STORY】
“リベロ爺さんがくれた幸せのブックリスト”
イタリアの古書店の店主と少年の本を通しての
交流を描くハートウォーミングストーリー!

イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店。
訪れる風変りな客たちを温かく迎え入れるリベロの店は
街のちょっとしたオアシス的な存在でもある。

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ある日、店の外で本を眺める移民の少年エシエンに声を掛けたリベロは、
好奇心旺盛なエシエンに、コミックから児童文学、中編小説、長編大作、
さらに専門書まで次々と店の本を貸し与えていく。
エシエンから感想を聞きながら、様々な知識やものの見方や考え方など、
リベロはジャンルを超えて叡智を授ける。
そしてイタリア語で「自由(Libero)」を意味する自身の名の通り、
エシエンに自由であること、誰もが幸せになる権利を持つことを伝えていくのだった。

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「本を読むことは素晴らしいこと、とこの映画は教えてくれます。
イタリアの小さな本屋のおじいさんと、アフリカ移民の少年の話です。
少年は毎日おじいさんから本を借りては、次々に読んでしまいます。
本の題名は、私たちの知ってる本なのも、うれしいです。
本を読むことで世界が広がる。少年の未来は明るいでしょう。
私たちは少年のように、わくわくしながら、この映画をみるでしょう。」
黒柳徹子(女優・ユニセフ親善大使)

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出演:レモ・ジローネ コッラード・フォルトゥーナ
ディディー・ローレンツ・チュンブ モーニ・オヴァディア
監督・脚本:クラウディオ・ロッシ・マッシミ 
原題:II diritto alla felicità 字幕:山田香苗  
後援:イタリア大使館、イタリア文化会館 
提供:シネマライズ、ミモザフィルムズ 
2021年/イタリア/イタリア語/84分/カラー/2.35 : 1/5.1ch 
ⓒ2021 ASSOCIAZIONE CULTURALE IMAGO IMAGO FILM VIDEOPRODUZIONI


★シネマの時間★
アートディレクション/デザイン/編集 /文/写真/イラストレーション 諸戸佑美
ⓒYUMIMOROTO
※プレス資料、HP参照


























by morotoyumi | 2023-03-04 23:34 | シネマの時間・WORK

a day in the Life


by morotoyumi